別々の金属を、銀ロウという素材を溶かして付ける工程をロウ付けと言い、シルバーアクセサリー製作ではよく行う作業の1つです。
私は主に3分、5分の銀ロウで製作し、たまに7分ロウを使用します。数字が低いほど銀含有量が多くなり溶ける温度も高くなります。
このロウ付け部分が、ごくまれに外れてしまう事があります。
正確な原因は不明ですが、リペアでのご来店時に使用状況を伺うと振動や衝撃を与える状況が続くと外れる事が多いようです。 ただ、例外もあり難しいところです。
そこで、どのくらいの使い方でロウ付け部分が外れるのか2011年6月に実験を始めてみました。
1mm厚の真ちゅう板に、φ1.0mmのシルバー丸カンを各5分と7分でロウ付けした物を作り、キーフックに取り付け毎日歩くたびにカチャカチャ当たったりポケットの中で踏まれたりと、少しハードな使い方でいつ壊れるかという実験です。
(3分ロウは5分より強いと勝手に判断し実験には不参加です)
真ちゅう板にただ刻印しただけですが、お客様に何度か「これは売らないんですか?」と聞かれました。
(英字と数字だけでアクセサリーっぽく見えてしまうあたりが何とも言えない感じです...)
あえて強度を落とした薄めの作りで、2〜3年で壊れるだろうと思っていましたが2020年1月も元気にくっ付いています。
実験は続く…